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バルカン800ドリフター(カワサキ)

カワサキ/バルカン800ドリフター

バルカン800ドリフターは、カワサキが投入した一歩踏み込んだレトロ、ビンテージスタイルのメーカーカスタムモデル。55度Vツインエンジンは、新型CVK36キャブを装備し、フロントブレーキはφ300mmディスク+2ポットキャリパーと、快適な走行性も兼ね備える。

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1940年代風のビンテージスタイルに仕上げた

アメリカンの人気が高まる中、クラシックタイプに注目が集まってくると、シャドウ400(NC34)、ドラッグスター400クラシック(4TR・VH01J)、バルカン400クラシック(VN400A)と各メーカーとも400ccクラスはラインアップが充実(スズキはデスペラード400で独自路線)。この「クラシック」の流れは750ccクラスやリッタークラスも同様だったが、ここでカワサキが一歩踏み込んだレトロ、ビンテージスタイルのメーカーカスタムモデルを投入してきた。それが「バルカン・ドリフター」シリーズだ。そのスタイルもさることながら、400、800、1500と3つの排気量に追加されたのは他社で見られない設定となる。

750ccクラスのアメリカンはシャドウ750(RC44)やデスペラード800X(VS53B)くらいのもので、ラインアップの豊富さはリッタークラスが上。ベースがバルカン400と共通だからという理由もあるだろうが、バルカン800にもドリフターが設定されたのは、選択肢の少ない750ccクラスにとって貴重な存在だった。加えて、バルカン1500ドリフターとそっくりのビンテージスタイルながら、リジッド風のユニトラックサスの採用と、スイングアームに直付けされたディープフェンダーにより、細かい再現性や完成度ではバルカン800ドリフターの方が上と言ってもいいだろう。

遥かな大地を気ままに転々とする旅人という「ドリフター」は、2002年モデルまでとわずか3〜4年で終了となってしまい、バルカン400・800シリーズそのものも2003年モデルまで。その時点でカワサキのアメリカンはバルカン1500シリーズとエリミネーター250V(VN250A)となってしまう。カワサキのアメリカンファン、特にバルカンユーザーにとっては残念なことだが、短命に終わった分、希少価値は高い。2007年にはバルカン900シリーズとなって復活したものの、「ドリフター」のこのスタイルはもう二度と復活することはないだろう。