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スポーツツアラーという新たなコンセプトで登場した「GSX-F400(GK74A)」

1984年のGSX-R400(GK71B)、1986年のCBR400R(NC23)とVFR400R(NC21)、同じ1986年のFZR400(1WG)、1988年のZX-4(ZX400G)等と、1980年代半ば頃からフルカウルモデル、レーサーレプリカモデルが登場し始めた400ccクラス。レースの参戦も意識し、絶対性能を追い求める中、「スポーツツアラー」というコンセプトで登場したのがGSX-F400(GK74A)だ。CBR400R(NC23)もフルカバードモデルで、どちらかと言えば「ツアラー」寄りになるが、ベースモデルの有無でGSX-F400とは異なる。

1988年のGSX-R400(GK73A)をベースとしたGSX-F400は、輸出モデルGSX600Fの車体にGSX-R400(GK73A)のエンジンを搭載したもので、カムプロフィールの変更等によって、低中速域を重視したセッティングとなっている。エンジンからフレームまで包み込んだフルカバードボディーは、ライダーに風や熱の影響を与えず、また、空力特性にも貢献している。自由度の高いポジションも相まって、快適に高速走行・長時間走行を楽しむことができる。また、メインスタンドやグラブバーも装備し、タンデム走行も考慮したものとなっている。

実際のところ、こういったツアラーモデルはあまり人気とはならなかったが、後に登場する1993年のRF400R(GK78A)に見るように、ツアラー系は「細く長く」ラインアップしており、カワサキのZZ-R400(ZX400K・ZX400N)がまさにその代表格と言える。速さを求めたレーサーレプリカと、快適さを求めたツアラーはスタイリングこそ似ていて、ベースも共通する点があるが、コンセプトや方向性は異なる。レプリカ指向ではない2010年代なら、GSX-F400の快適性やスポーツ性の良さが分かるのではないだろうか。