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TL1000R(スズキ)

スズキ/TL1000R

TL1000Rは、「スーパーバイク」への参戦を意識し、VツインのTL1000Sをベースに、戦闘力をアップさせ登場した、リッターレプリカの先駆けとも言える1台。TL1000Sとは異なる方向性を見出し、新たなVツインスポーツを提案したフルカウル・レプリカモデル。

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国内リッタークラス&Vツインレプリカのパイオニア「TL1000R(VT52A)」

バイクレースのひとつ「スーパーバイク」のレギュレーションが当初4気筒750ccまで、2気筒1000ccまでで、改造範囲も制限されていたことから、参戦するマシンは市販状態でもレースに対応できる高いポテンシャルを要求された。そんな背景で登場したのが、Vツイン・1000ccのTL1000S(VT51A)をベースに戦闘力をアップさせたTL1000R(VT52A)である。後にホンダがVTR1000SP-1を投入し、2000年には優勝を果たしており、ドゥカティやアプリリアも含め、「リッターVツインレプリカ」的なモデルが充実していたのが1990年代後半から2000年代前半になる。

1997年に登場したTL1000Sをベースにしているとは言っても、鍛造ピストンの採用、ツインインジェクター化、アルミツインスパーフレーム等々、全くの別物と言っても過言ではないモデルとなっている。外観はスラントノーズのアッパーカウル等を採用したレーシーなフルカウルで、GSX-Rシリーズと共通のイメージ。その頃、400ccや250ccクラスではレーサーレプリカが残っていたが、ネイキッドが主流のリッタークラスではTL1000Rのようなフルカウル・レプリカモデルは珍しい存在だった。

このように、輸出モデルは別として、国内モデルとしてはリッターレプリカの先駆けとも言えるTL1000R。現在、リッタークラスのスーパースポーツ系の主流は4気筒モデルになるが、ドゥカティやTL1000RのようなVツインレプリカも面白い。後継モデルは登場せず、このTL1000R単独で終了となってしまったため、流通台数は限られているが、新鮮なライディングフィールを感じられるレプリカとして、VTR1000SP-1・SP-2と共にレプリカファンなら一度は味わっておきたいモデルである。