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ヤマハが出した空冷ビッグネイキッドの答え。それが「XJR1200」

初代XJR400(4HM)同様、パフォーマンスを重視して登場したのがXJR1200。「ワイルド・ダイナミック・パフォーマンス」をキーワードに、空冷ビッグネイキッドの完成型を提案したモデルだ。

エンジンはFJ1200をベースにリファインされたもので、新型のエアクリーナー、エンジン回転数とスロットル開度を検知演算するTPS(スロットルポジションセンサー)付きのミクニ製負圧BSキャブ、最適な点火タイミングを割り出すマップ制御イグナイターユニットを装備。アクセルの微妙な動きに素早く反応し、従来の空冷を超えた低中速トルクと、スタートダッシュを実現した。

ハイテンション鋼のダブルクレードルフレームに組まれる足回りは、径43mmの極太フロントフォーク、オーリンズ製リアショック、アルミ角型スイングアーム。フロントブレーキは径320mmディスク+4ポットキャリパー、前130/70-ZR17、後170/60-ZR17のラジアルタイヤを組み合わせ、同クラスのマシンと比較してもハイレベルな内容だ。

1996年にはマイナーチェンジし、特にフロント足回りは、インナーチューブ径はそのままに、キャスターアングルの変更、前後重量配分の最適化により、優れた直進安定性と軽快なハンドリング特性を実現。伸び/圧減衰調整機構を追加し、イニシャルアジャスターは市販車では珍しくブルーアルマイト処理が施された。オーリンズ製リアショックもフルアジャスタブルタイプとなった。他、オイルクーラーの幅を50mm大型化、快適な乗り心地と低シート高を両立できるワイラックスシートを採用するなど、各部の充実化も図られた。

こうしてXJR1200は走る、曲がる、止まるの基本性能をバランスさせながら、「空冷イズム」を推奨するヤマハのビッグネイキッドに対する答えを具現化したモデル。そのスピリットは後のXJR1300、さらに2006年11月登場のインジェクションモデルのXJR1300にも受け継がれている。